貧者の一灯 ブログ

信じれば真実・疑えば妄想

貧者の一灯・歴史への訪問
















むかしむかし、村外れのお堂の前で子どもたちが
遊んでいると、見た事のない男がやってきて言い
ました。


「お前たち、クリやカキやナシがいっぱいなって
おる所へ、遊びに行かんか?」  


子どもたちはお腹が空いていたので、大喜びで言
いました。 「行く行く! 早く連れてってくれ」  


すると男はお尻から、尻尾のような物を引き出し
ました。 「じゃあ、それにまたがって、落ちない
ようにしっかりつかまるんだ。


いいか。みんな乗ったか?」 「うん。乗った、乗
った」  子どもたちが口をそろえて言うと、ゴォ
ーッとなまあたたかい風が吹いて、あっという間に
クリやカキやナシがいっぱいなっている所へ連れて
行ってくれたのです。


「ほれ、ほれ。いま取ってやるからな」  


男はまたゴォーッとなまあたたかい風を起こして、
木からたくさんの果物を落としてくれました。


「わーい、ありがとう」  子どもたちは、大喜び
で食べ始めました。  


やがてタ方になると、男は急にそわそわして言い
ました。 「わしは、大急ぎで行かねばならん所が
ある。お前たちは、勝手に家へ帰りな」  


そしてなまあたたかい風を起こして、男はどこか
へ行ってしまったのです。  


残された子どもたちは、こまってしまいました。


「帰れと言っても、どうやって帰るんじゃ?」
「おらたちの村は、どこやろ?」 「おらたちは、
あっちから飛んで来たと思うが」 「とにかく、
あっちへ行こう」  


みんなは飛んで来た方向に歩きましたが、やがて
日が暮れてしまいました。


「はやく、家へ帰りたいよう」 「さむいよう。
こわいよう」  女の子は泣きながら、男の子の
あとについていきます。


「泣くな。泣くとキツネが出てきて、だまされる
ぞ」  子どもたちが手をつないで歩いて行くと、
向こうにボンヤリと家の明りが見えました。


「わーい、家だ、家だ」  子どもたちが家に飛び
込むと、中には太ったおばあさんがいました。


「おや? お前たち、どこから来たんや?」


「おらたち、知らないおじさんと一緒に、風に乗
って来たんや。そしてカキやナシを、たくさん食
わしてもらった。


けど、おじさんはおらたちを置いて、また風と一
緒にどこかへ行ってしもうたんや。おらたち、家へ
帰りたいんや」


「そうかい、そうかい。その子はきっと、おらの
息子の南風(みなみかぜ)だ。


あの子のせいで、悪い事をしたな。おわびに、
おらのもう一人の息子の北風(きたかぜ)にたのん
で、お前たちを家まで送らせるからな」  


おばあさんはそう言うと、となりの部屋で寝てい
る息子の北風を起こしました。


「ほれ、起きろ。起きてこの子たちを、家に連れ
て行ってやれ」  


すると北風は、ねむい目をこすりながら言いまし
た。 「ほれ、早く後ろに乗れや」  


そして北風はお尻から長い尻尾のような物を引っ
張り出しました。  


子どもたちがそれにまたがると、ゴォーッと冷た
い風が吹いて来て、子どもたちの村のお堂まで
運んでくれました。


「じゃあ、また遊びにこいや」  


北風はそう言うと、ゴォーッと風と共に帰って
行きました。・・・











「先生、僕のお母さんに元気をもらってほしい
んです。


プレゼントをあげたいけれど、お小遣いは329円
しかありません。このお金で、お母さんが喜ぶ
ものは何でしょうか?」という切ない内容でした。


私が知るところによれば、その子の母親は重い
病で、残された時間が長くはありません。


しかし、男の子はその真実を知らないのです。


※…
心が揺れる中、私は今日、彼をデパートへ連れ
て行きました。


「お母さん、最近ダイエットしてるみたい。あん
まりご飯食べないし、強がって笑ってるように見
えるんだ。ダイエットのおやつ、買えるかな?」


「お母さんと水族館に行きたいんだ。
 靴、買えるかな?」


「お花もいいけど、枯れると悲しいよね。サボ
テンの方が長持ちするかな?」


「お母さんの手、冷たかったな。手袋は?でも、
冬にしか使えないよね。」


「あ、お母さんがキャビア食べたいって言って
たよね!」


彼の一言一言に、母を思う純粋な気持ちが込め
られていて、私は涙がでそうな気持ちを抑える
のに苦労しました。


彼は最終的に「靴にする!と言いました…


お母さんと色んな場所に行きたいから!」しかし、
300円程度で靴は買えません。


私は彼がトイレに行っている間に靴売場へ駆け
込み、事情を話して特別な取り計らいをお願い
しました。


私自身、後で足りない分を支払う覚悟でした。


店員さんも情熱に答えてくれ、靴売場に
「300円均一」という手作りの看板を置いて
くれました。


「これにする!」と彼が選んだのは、白いヒール
の靴でした。


レジで精算する際、店員さんは「ちょうど300円
です」と微笑んでくれました。


彼は、早く母にプレゼントを渡したくて、病院に
急ぎました。


「お母さん、プレゼントだよ!」と大きな声で
病室のドアを開けると、母は涙を流しながら
「ありがとう。


でも、私、もう外に出かけることは難しいの」
と打ち明けました。


男の子は一瞬驚きの表情を浮かべた後、顔を上げ
て言いました。


「お母さん、一生懸命生きた人は星になるって。


空を見れば、お母さんがいるから寂しくないよ。
だから、諦めないでね。」


そして彼は続けました。 「僕、お母さんと水族
館に行きたかったんだ。


だから大きい靴を選んだよ。」 母親はその言葉に
涙を流し、息子を強く抱きしめました。


もし、病気や試練で心が折れそうな方がいれば、
この男の子の言葉を思い出してください。


彼の純粋な想いは、私たち大人にとっても大切
なメッセージです。


どんな困難も、諦めない心で乗り越えていき
ましょう。・・・







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