貧者の一灯 ブログ

信じれば真実・疑えば妄想

貧者の一灯・特別編

















※…鳥には初めて見たものが「親」


子どもたちにとって、「親」とは、どのような存在
なのでしょうか。


子どもたちは、どのようにして「親」を認識する
のでしょうか。


「親」とは「子を持つ人のこと。また、人間以外の
動物にもいう」と書かれています。


「子を持つ人」と言われても、当の子からして
みれば、何が親なのかわかりません。


しかし、鳥にとっては、それは簡単です。


鳥にとって「親」とは、「産まれて初めて見た動く
もの」なのです。


ヒナ鳥の頭の中にはそうプログラムされています。
鳥は、親鳥が卵を温めます。


そのため、「産まれて初めて見た動くもの」は、
まず間違いなく親なので、この定義づけは、
最も簡単で、最も適確なのです。


自然界で、このプログラムが問題を起こすこと
はまずありません。


しかし、意地悪な人間が、実験的に産まれた
ばかりのヒナに機械仕掛けのおもちゃを見せ
ると、ヒナたちはそのおもちゃを親だと認識して、
おもちゃの後をついて歩くというのは、有名な
話です。


自然界で目の前におもちゃが現れることは
まずありません。だから、「産まれて初めて
見た動くもの」、鳥にとって「親」とは、そういう
ものなのです。


それでは、哺乳類にとって親とは何でしょうか。
哺乳類の場合、産まれたばかりの子どもにとっ
ては、何が親なのかわかりません。


しかし、哺乳類の親は、子育てをすることが
大きな特徴です。


哺乳類の子どもにとっては、「子育てをしてくれ
る存在」こそが親なのです。


※…
動物園では、親の代わりに人間が動物の子ども
にミルクをあげたり、エサをあげたりすることが
ありますが、そうして育てられた動物の子どもは、
世話をしている人間のことを「親」だと思っている
かもしれません。


動物園で生きていくうえでは、それでまったく
問題はありません。自分を守り、育ててくれる
存在であれば、血がつながっていなくても、
別の種類の生き物だったとしても、それは「親」
ということで、何の不自由もないのです。



※…哺乳類が持つ「高度なプログラム」


虫などの生物の多くは、「本能」を発達させる
ことによって生きる術を身につけてきましたが、
これに対して哺乳類は、子育てによって「知能」
を活用することを可能にしました。


「本能」が、自然界を生き抜くうえで最低限の
プログラムであるのに対して、「知能」は、環境
に応じてそのプラグラムを変化させてアップデー
トしたり、新しい形にグレートアップさせられるも
のなのです。


そのため、哺乳類の世界では、本能のみに頼っ
て生きる生き物には見られないような、高度なプロ
グラムが見られます。


それは、「ルール」です。


例えば、カバのオスは、優劣を決めるときに、
口を大きく開けて、口の大きさを競い合います。


実際には、別に口の開け方が小さかったから
と言って、そのまま力の強さが否定されるわけ
ではありません。


本当は、力づくで勝負を挑むことだってできま
すし、実際に激しい戦いになることもないわけ
ではありません。


しかし、「口の開け方の大きい者が勝者である」
ということが、カバの世界での「ルール」なのです。


このルールを破って卑怯な戦いをすれば、オス
同士が傷つき合い、結果としてカバの群れ全体
が弱くなってしまいます。


どのオスも争いに明け暮れて傷ついていたら、
ほかの肉食動物に襲われやすくなってしまうか
もしれないし、ほかのカバの群れになわばりを
奪われてしまうかも知れません。


口が大きいことが、本当に強さの証しなのかどう
かは、わかりません。また、それが自然界で重要
なことなのかどうかはわかりません。


しかしカバは、無用な争いを避けて群れが生き
残るために、口の大きさで勝負を決めるという、
高度なルールを発達させているのです。



※…ほかの例もあります。


世界で最も大きなシカであるヘラジカは、とても
立派なツノを持っています。シカのツノは戦うた
めの武器ですが、ヘラジカのツノは大きすぎて、
武器にするには使いにくいくらいです。


ヘラジカの世界には、実際にツノを使って傷つけ
合うことはせず、ツノの大きさで勝敗を決めるルー
ルがあります。


ツノが大きければ、もうそれで勝ちなのです。


同じぐらいの大きさのツノの場合は、少しツノを
突き合わせるくらいのことはありますが、それでも、
本気で戦うようなことはありません。


オオカミやライオンなどのオスも、ときに激しく戦い
合いますが、殺し合うまで戦うことはほとんどあり
ません。


どちらかが降参するか、逃げるかすれば勝負は
おしまいです。生き抜いていくために、このような
高度なルールを発達させたのです。



※…オスは「ルールを教える」存在


戦わずに勝敗を決める。こんな高度なルール
作りは、知能が得意とするところです。


しかし、こうしたルールは、体験から学ぶという
ことはなかなかできません。


「激しく戦い合えば、死んでしまう」
「みんなで戦い合えば群れが滅んでしまう」


ということを体験から覚えるとしたら、払う犠牲が
あまりにも大きすぎます。そのため、そのルール
は、誰かが子どもたちに教え伝える必要があります。


哺乳動物では、そのルールを教える存在こそが、
オスの役割なのです。


メスは体の中で胎児を保護し、母乳で子どもを育
てるという大切な役割があります。


そして、オスがルールを教えていくという役割分担
をしているのです。


哺乳動物の中には、オスが子育てに参加しない
ものもたくさんありますが、群れを作って暮らす
動物のようにルールが必要な動物にとっては、
オスの役割が重要なのです。。…













※…
私が物心ついた時から家にシェパードがいた。
名前はビル。 近所に事件が起こったりすると、
警察がビルを借りにきたりするほど優秀な犬。


茶色のまっすぐな優しい目で、 いつも私のこと
を見ていてくれた記憶がある。


ビルは本当に大きくて、ビルと一緒にいると、
おとなしい私が何だか自分まで強くなるようで
誇らしかった。


大好きで大好きでビルの小屋で一緒に寝た
いと、 両親を困らせたこともあった。


夏休みに友達が遊びに来た時、 些細なことで
ケンカしてしまい、友達は帰ってしまった。


(お人形を頂戴といわれ断ったのが原因)


めったに吠えないビルの声が聞こえて、
びっくりして外に出た。


友達がビルに石を投げていた。 走っていって
友達を突き飛ばしてしまった。


ビルはその間ずっと吠えていた。 幸い友人の
怪我はうちみ程度ですんだが、 当然私は両親
と相手の両親からもこっぴどく叱られた。


ただ、おばあちゃんは「○○子が理由もなくそんな
事はしない」 と言ってくれた。


友達は複雑な顔でそっぽを向いていた。 次の
日の夕方ビルの散歩に行った時、 小川でビル
が水を飲んでいるところをボ~っと座ってみていた。


ビルが隣に来ていつも通り横に座った。


暑かったけど心地よくって離れたくなかった。
ビルの目の上には石をぶつけられた時の傷が
あった。


悔しくて悲しくて涙が出てきた。 大声で泣いて
しまった。 その時ビルは、ずっと私のほっぺを
なめていてくれた。


ふとどこからか「もう大丈夫だから泣かないで」
という声が聞こえた。 びっくりして後ろを向いて
も、どこを見ても誰もいない


ビルの顔をみるとジッと私を見ている。


また「大好きだから泣かないで」って聞こえた。
それから家に帰って、父や母にこのことを言っ
ても 笑って信じてくれなかった。


だけどおばあちゃんだけは信じてくれた。



※…
私が大学に入って、しばらくしてビルは死ん
でしまった。 老衰だった。


それから動物を飼うことはなかった。 今思うと
子供の想像力か、単なる幻聴か、 情緒不安定
な時でそんな声が聞こえたのかと思う時がある。


でも幻聴でもなんでもいい。 私を励まそうとした
ことは確かだった。


大学を卒業し、普通に就職、そして結婚した。
今年の結婚記念日に主人がプレゼントを買っ
てきてくれた。


首にピンクのリボンをつけたシェパードの子犬
だった。 あの目、ビルの目。 大泣きしてしまった。


私の泣きっぷりに主人はびっくりしてたけど、
理由を話したら「大事にしような」と言ってくれた。


現在私のお腹には7ヶ月の女の子がいる。
二代目ビルとお腹にいる子供が 良い関係
になれたらいいと思ってます。  …











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