貧者の一灯 ブログ

信じれば真実・疑えば妄想

貧者の一灯・番外編



















※…
双方、弁護士を立て、親権と養育費について、
裁判ではなく協議離婚で決めることにした。


私の弁護士はDVやセクシャルハラスメント、
子どもの権利に関する弁護において敏腕のベテ
ランの弁護士だった。


当初、協議ではなく、夫のDVを告発して裁判
で闘うつもりだった。


DVを世間に公表し、被害者として賠償請求と
親権の獲得をお願いした。


しかしベテラン弁護士は「DV裁判は長期化する
うえに裁判の途中で傷つく。そのうえ勝てるか
どうかわからない。それでも闘う?」と判断を
聞かれた。


DVを認めさせ賠償させたところで子どもたちに
待っているものは何だろう。


妻が夫を訴える泥沼の闘い。子どもたちにとっ
て父親は加害者で母親は被害者。子どもたちを
傷つける。


そんな不毛な闘争より、「夫婦の価値観の相違
による離婚」、子どもたちに不利益のない形で、
できるだけ円満に離婚する選択をしたほうが良い
と助言された。結果的にそうなったことに感謝
している。


離婚協議から半年、夫婦別居からも半年が経過
し、離婚が成立した。


二十年の夫婦生活と四十年の友人関係にピリオド
を打った。 私は結婚式のアルバムと、夫と共に過
ごした中学・高校の卒業アルバムを捨てた。


過去の思い出も捨て、新しく生き直そうと決めた。


離婚協議の争点は、二人の子の親権を母親一人
で勝ち取れるか、そして、新築の家を夫から取
り戻せるかだった。


夫は、自分名義にした家を売りとばす気だった。
私たちを裸一貫で放り出す気だった。


しかし、次男が「自分を守ってくれるのは家、
家がお父さんになってくれる」、と言った。


では、家はなんとしても私が夫から買い取る。
家の借金をひとりで抱えられるのか。でも、
それでお父さんを買えるなら安い。


※…転職の日々  ・退職、退職、そして転職


私は離婚と同時に、住宅ローンの残債をすべて
引き継いだ。女一人で、七十歳まで続く借金、
気が遠くなりそうな高額な債務。


それでも、私は大学教員の仕事なら、生活費も
ローン返済も、一人で可能だろうと思った。


しかし、職場の状況が思わしくなかった。 看護
教育の場であるにもかかわらず、教員による学生
へのハラスメントが横行し、常態化していた。


退学する学生が後を絶たず、学内で学生がハラス
メントを訴えても取り上げられない。信じられな
いようなことが起こっていた。


そんな中、複数の教員による学生への誹謗中傷
発言――これは国際間の民族的な内容を含むも
のだった


これが大きな問題となり、学生は退学と同時に
世論にこれを訴えると言った。私は、その学生
の最初の分娩介助の時に、一緒にいて指導をし
た教員だった。


彼女の一生懸命な姿勢をよく覚えていた。 私はそ
の学生から証言を求められ、「先生は学生の味方
ですか、それとも教員の味方ですか」と問われた。


「私は学生の味方だよ、あなたの味方だよ」、
と言った。退職を覚悟して私は証言した。


私は上司と同僚を告訴したのだ。退職せざるを
得なかった。 幸い、そんな私を、その後拾って
くれた看護大学があって就職した。


しかし、今度は、恐ろしい仕事量と長期地方出張、
パワハラ上司まで待っていた。


母性看護学の実習場所の確保が、少子化で出産
数も減少、そのため実習病院施設を学生人数分
を市内で確保できず、地方の病院に実習をお願
いしていた。


それらの病院での実習指導のため、長期出張を余
儀なくされた。 一年の半分は、地方と市内の実習
病院で学生と過ごす日々。


しかし、それは私にとっては、妊産婦と新生児と
学生と過ごせる楽しい日々でもあった。


また、この時の地方実習を一緒に過ごした学生
たちはとても優しい子たちだった。


出張中も、次男の世話のため、実習が終わって
から自宅に戻った。


地方と自宅を車で往来、片道百キロの真っ暗な
道を走った。そんなことを週に何度もしていた。


そんな生活を終えて、やっと大学の研究室に戻っ
て残務をしていたある日、隣室の女性教授が午後
八時なのに、「会議を開きます」、と言って入っ
てくる。


またある時は、深夜0時に大量のコピーを持ち
こまれ、明日までに整理するように言われた。
これは、パワーハラスメントというやつだな。


しかし、夫の暴力を経験していたためか、精神
的ダメージはなく(それもどうかと思うが)、
とにかく仕事が多く、帰宅時間が遅い上、長期
出張……。


次男の学校のことを何もできない状態だった。


そんな中、次男は私立中学校を受験し合格した。
その学校は家から遠く、中学校まで親が送迎を
しなければ通うのは無理だった。


私はまたしても退職を決断した。 退職後、次男
の学校の送迎を行いながら、仕事の融通がきく
職場を探した。


そうしたら、なんと、その条件が適う就職の話
がきた。ある大学の短大部に新設される予定の
学科に、設置要員教員として来てほしいと言わ
れた。


長期地方出張もない、病院で一日中指導する臨
床実習もない。そして保育士養成、子育て支援
に関われる仕事だった。


それは私の夢でもあった。


非常勤として仕事をしていた十年間に、保育士
養成機関で「子どもの保健」を担当し、子育て
支援に関わる研修会講師などを通して、保育士
が子育て支援に果たす役割は、他のどの職種より
も大きいと確信していた。


何より、私自身が保育園の保育士の先生に支え
られて子育てができたようなものだ。


保育士さんが大好きだ。その恩返しもしたい。
新しい夢と希望をもって転職した。









※…
私たちが他人に腹を立てるとき、その人の
1.怒り(攻撃性)、
2.欲望(収奪性)、
3.愚かさ(無能性)
の三種の煩悩のいずれかを察知して、それに対
して怒っているのです。


これら三種の他人の煩悩に対し、煩悩を向けられ
るのは嫌だっと、自らの怒りの煩悩を連鎖させて
いるのです。


三種のイライラのうちもっとも自然に見えます
のは、人が向けてくる怒りへの怒りでしょう。


批判されたり攻撃されたりすると通常、生命が
脅かされますから、動物的防衛本能として怒り
が発動されやすいのです。


次に欲望でしょうか。 それによって自分の取
り分が少なくなります。


たとえば、人から自己愛の欲望をむき出しにした
自慢話を聞かされると、自分の「自尊心の取り分」
を奪われて、いら立ちがちになります。


たいした実害もありませんのに。 …


では、人が愚かさゆえにうっかりミスをしたの
に対して、いら立ってしまうのはどうでしょう。


間接的に多少の迷惑は被るかもしれませんけれ
ども、さらに実害は小さい。


これらは、日々の自分の「怒りっぽさ」を測る
バロメーターになりそう。


人の攻撃性にイラつく程度なら怒りっぽさ
1ポイント。


「きょうはいつになく、何だかパートナーの自
分語りにイライラする」など、さして実害もな
い欲望を許せないなら2ポイント。


そして、「この人、手伝ってくれたのはいいけ
れど、言った通りにしてくれないっ」 と、感謝
もできず文句を言いたくなるとき。 愚かさに
イライラするのは怒りっぽさ3ポイント。


たいして実害もないような人の煩悩にイライラ
するときは、「怒りっぽくなっている なあ、
自分」と視点を百八十度回転させてみましょう。


《煩悩の連鎖が自覚できれば心は落ち着く》


自分に向けられた怒りに対して、瞬間湯沸かし
のように即座にヒートアップしてしまう人がいる。
怒りに対する許容量が小さい人だ。


つまり、レジリエンスという、困難や嫌なこと
に対して回復力(復元力)が弱い人でもある。


それは、ストレス耐性が弱い人。


次に、人の「長話」や「自慢話」にイライラす
るようなら、ストレス耐性はさらに弱い。


そして、人の「愚かさ」という「他人の欠点や
弱点」にイライラしたとするなら、ストレス耐性
はほぼ消えかかっている。


たいして実害もないような人の煩悩にイライラ
しない人でありたい。


author:小池龍之介氏の言葉より…







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