貧者の一灯 ブログ

信じれば真実・疑えば妄想

貧者の一灯・一考編

















※…
四年生になってもコロナは収まらずに、学級
閉鎖や、休校になることもありました。


楽しみにしてい た行事もないまま、がまん
の日々を続けています。


コロナが早く収まってほしいと願っていますが、
私 にできることはマスクをしたり、手洗い、消毒
をすることくらいです。


コロナが収まるために、ワクチン接種が大事
だとテレビで見ました。


私のお母さんは今、ワクチン接 種の受付の
仕事をしています。


仕事で大変な思いをしていると聞き、コロナが
収まるために頑張ってい るんだなと思いました。


お母さんは毎日とても疲れて帰ってきます。
そんなお母さんを応えんしたり、私にできる
お手伝いを してあげたい。それが、コロナが
収まるために私ができることだ、と考えました。


「そうだ! 『笑顔レストラン』を開こう!」


妹と協力しながら、メニュー表を作りました。
レストランのメニューには食べ物ではなく、
お母さん が楽になるようなお手伝いメニュー
を書きました。


家の玄関にかんばんも作って、じゅんびは
完ぺきで す。


いつものように疲れて帰ってきたお母さんは、
笑顔レストランのかんばんを見てニッコリ。


『消毒を お願いします』と書いたポスターを
見せて、私は消毒係、妹が検温係になりました。


チームワークはば っちりです。お母さんは
メニュー表から、洗たく物とお皿かたづけを
選びました。


いつもはお手伝いを いやがる妹も、「次の
ご注文はありませんか。」と、レストランの店員
になりきって、ウキウキです。


次 のお手伝いの注文も受けたので、最初は
楽しかったけれど、お手伝いは大変でした。


終わるたびに、お 母さんが「ありがとう」と笑顔
になってくれるので、うれしくてパワーがわいて
きて、どんどんお手伝 いを引き受けたくなりました。


次の日、お父さんが、「家のかたづけをしてくれ
てありがとう。」と、ほめてくれました。


無口でなか なか笑わないお父さんが笑顔に
なってくれたので、今でもあのときのうれしさは
忘れられません。


いつもがんばっているお母さんに、少しの親切
をしてあげるだけで、家族みんなが笑顔になっ
て、私 もあたたかい気持ちになりました。


やってよかったなあと思います。


知らない人に親切にしてあげるの はなかなか
むずかしいけれど、お母さんや、おばあちゃん、
友達などの周りの知っている人に対してな ら、
私にも小さな親切ができるかもしれない。


私にできる小さな親切を見つけて、親切が
できる人にな りたいと思いました。


例えば、おばあちゃんの買い物の荷物を持っ
てあげたり、骨折をしている友達の手助けを
してあげる など、何をしてあげればその人が
楽になるかを考えればいいのかなと、親切
のヒントも見つけられまし た。


これからも、笑顔レストランを開き、私にできる
親切を続けることで、家族に親切の輪が広がれ
ばい いなとも思いました。


そして、早くコロナが収まりますように。…












※…
松下さんの側近として23年間過ごされた江口
克彦さんが、ある時、経済雑誌に経営者の写真
とともに、


「知恵を出せ。それができない者は汗をかけ。
それができぬ者は去れ」というその経営者の
座右の銘が紹介されているのを見ました。


江口さんはそれを見ていたく感心し、”そうか、
よく考えて知恵を出さないといけないんだな。
それができなければ行動して汗をかくのが
大事なんだな”と思ったそうです。


この経営者はプレハブ住宅の会社を興し、
かなり成功を収めている人だったのです。


その話を松下さんにしたそうです。


すると松下さんは怪訝そうな顔をして
「そうか、その社長さんはそう考えて
はるんか。


けどな、そういう考えでは経営は行き詰まる。
その会社はきっと潰れるで」と言ったそうです。


松下さんは普段、こういう決めつけるような
言い方をされる方ではなかったそうです。


その言葉を聞き、江口さんが驚いて絶句して
いると松下さんが


「あんなぁ、きみ『知恵を出せ』と言っても、
机の上で、ああのこうのと考えていても、
生きた知恵は出てこんわ。


どんな優秀な人でも、頭で考え、知恵を出す
ことには限度がある。


実際に役に立つ知恵はな、一生懸命動いて、
汗を流して、経験をして、そうしているうちに
出てくる。生まれてくる。そういうもんや。


それを汗も流さんと、最初から知恵を出そうと
机の上で考えておっても無駄だわね。


わしなら、『まず汗を出せ。汗の中から知恵を
出せ。それができない者は去れ』と、こう言うな」
と言った後、再び


「その会社、潰れるわ」と呟いたそうです。


江口さんは”ああ、その通りだな。現場を見て、
自ら経験して、格闘して苦しみながら、そこから
本当の知恵というのは生まれてくる。


いくら机に向かって考えていても、魔法のように
は知恵は出てこない。


たしかに松下さんの言われる通りだ”と思い、
「そうですね、たしかに」とうなずくと、松下さん
は破顔一笑、


「それがわしの考えや」と言ったそうです。


江口さんは松下さんの言葉を長い人生から
にじみ出たものと感銘し、以降、考えるより
先に行動し、行動の中で工夫をし、その経験
の中から知恵を生み出す努力をするように
なったといいます。


数年後、プレハブ住宅の会社は、本当に
倒産してしまったそうです。


江口さんはそれを新聞で知り、驚き、改めて
松下さんの言葉と表情を思い出したそうです。








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