貧者の一灯 ブログ

信じれば真実・疑えば妄想

貧者の一灯・THEライフ
















※…ゲームで言葉が喪失される


ゲーム依存になった子供たちは、様々なリスク
にさらされる。


脳機能において一般的に指摘されているのが、
「前頭前野の機能の低下」
「脳の情報伝達の機能低下」
「ゲームに関する過剰反応」
「刺激の過剰欲求」などだ。


長い期間、ゲームの世界にのめり込むことで、
脳機能がゆがめられていくのである。 ただし、
多くのゲーム依存の子供たちと接していて、全
般的に共通するのが、「言葉の力の低下」で
ある。


子供たちの中にはリアルの世界がつらくなり、
現実逃避としてゲーム依存になっている者が
少なくない。


彼らはゲームの世界に鳴り響く、振動、音、操
作に没頭することで、現実で起きていることを
考えないようにする。


これは、子供たちが言葉によって現実と向き
合うのを避けていることに他ならない。


言葉によって何が起きているのかを考え、言
葉によって解決策を見いだし、言葉によって
未来を切り開いていくことを放棄しているの
だ。


それが何ヵ月、何年も継続されることで何が
起こるのか。それが言葉の喪失なのである。
実際にゲーム依存の子供たちには次のような
特徴が見受けられる。


・「死ね」「クソ」「大丈夫」のような言葉
を吐き捨てるだけで現実と向き合わない。 ・
対話のキャッチボールができない。 ・何がし
たいのか、何が問題なのか、何が苦しいのか
を答えらえない。


もうリアルではやっていけない 人間にとって
言葉は、現実と向き合って、状況を理解し、
未来へと歩を進めていくための重要な武器だ。


彼らはゲームに没頭する中で、その力を失っ
てしまう。だから、医療機関等へ連れてこられ
た時、言葉が機能していない状態になっている
のである。


診断の際に、質問に答えることができないとか、
会話の中身が破綻しているといったことだけで
なく、言葉そのものが口から出てこないといっ
たことさえある。


※…
取材した高嶺病院(山口県)では、直近で入院
した子供たちにWISCというテストをしている。
IQを言語理解、知覚推理、ワーキングメモリー、
処理速度の4つに分けて測るものなのだが、お
しなべて言語理解が他に比べて低くなっていた
のである。


同病院に勤務する公認心理士は次のように語
っていた。


「ゲームの世界では、ゲームをすることにおい
ても、ボイスチャットをすることにおいても、
高度な言語理解力は必要ありません。


でも、リアルのコミュニケーションではかなり
高いレベルが要求されます。実際に入院してき
た子供たちと話をしても、これじゃリアルの世
界ではやっていけいなって感じることも珍しく
ありません。


まず、自己紹介ができる子がほとんどいません
ね。それに入院生活で嫌なことがあっても、つ
たえられないし、解決策を考えられません」


このため、入院してすぐは、子供たちの言葉を
再生させる取り組みが行われる。


マジカルバナナを行って言葉で物事を考えたり、
言葉を発したりする練習をするとか、工作や運
動をすることで自分の中の楽しいとか面白いと
いった感情と向き合わせるといったことをする
のだ。


そんな初歩的なところから行うのかと驚くか
もしれない。逆に言えば、それだけ彼らば言
葉を失ってしまっている状態にあるというこ
となのだ。


※…アルコール依存より脱出が難しい


子供がゲーム依存から回復するためには、リア
ルの世界の問題と向き合い、そこで生きがいを
見つけ、未来を思い描く必要がある。


それをするために子供たちが獲得しなければな
らないのが言葉で考え、表現する力なのである。


ゲーム依存から子供たちをどのように回復させ
ていくのか。 ゲーム依存になる子の多くが現実
に困難を抱えている者たちであるという事実だ。


今の社会には、生きづらさを感じている子供た
ちが数多くいる。


コロナ禍もあって、小中学生の不登校は約20万
人に達し、若者の自殺者数も増えている。


ユニセフは、日本若者の精神的幸福度が38カ
国中37位という低さであることを示している。


このことは、それだけ多くの日本の子供たちが、
現実逃避としてのゲーム依存のリスクを抱えて
いるということなのだ。


「子供のゲーム依存は、大人のアルコールや
ギャンブル依存よりずっと脱出しにくいです。


10代でそうなることで子供自身が空っぽにな
ってしまうだけでなく、必需品となっている
スマホを持ちあるくことは、アルコール依存
の人が酒を持ち歩いているようなものだから
です。


できるだけ早いうちに医療機関や支援団体に
つないで治療をする必要があるのです」…











神奈川県湘南。ここに、引きこもりやニート、
不良児などさまざまな問題を抱える子供たちを
必ず立ち直らせてしまう人がいます。


鈴木紋子氏、:人生の途上でつまづく子供たち
を、氏はいかにして救ってきたのか、教育法
に迫ります。


※…
私は教師時代、荒れた中学校の立て直しをいく
つも頼まれましたが、 校内暴力が盛んな学校
にはたいてい共通点があります。


子供たちが悪さをすると、先生が「てめえら、
何やってんだ!」と 怒鳴りつけ、子供たちが
ますます悪さをしてしまうのもよくある パタ
ーンの一つです。


私が最初に赴任した中学校は鎌倉一荒れている
と言われ、 まさにその典型でしたが、私は絶
対に子供たちを怒ることは しませんでした。


まず気になったのは、番長格だった子の勉強
の遅れです。


しかし学校で補習をさせようとしても、恥ず
かしがってやらないでしょう。


そこで私は大勢の子分(仲間)たちが集まっ
ている彼の家へ インスタントコーヒーとお
砂糖を持って出掛け、 「はい、皆で飲んで
ちょうだいね」と 何気ない会話をするところ
から始めていきました。


そうやってしばらく通ううち、番長のほうか
ら 「おい、先生に座布団を持ってこい」など
と 優しい気遣いもしてくれるようになりました。


他校の仲間の一人は「番長の家はいいな。


先生がこんなに遅くまで来てくれるんだもん
な……」と 漏らしましたが、非行少年の大半
が抱えているのはこの寂しさです。


私が親代わりとなって話を聞いたりしている
うち彼らも 勉強に励むようになってくれま
したが、 番長だけは一向にその気になって
くれません。


私は学校にいるうちに何かを身に付けさせな
くてはいけないと考え、「職員室の清掃当番
の係を私にさせてください」と 校長先生に
お願いしてみました。


そして彼がやってくると「まず箒で床を掃く
のよ。 今度は雑巾を絞って綺麗な場所から
拭いていくの」と 手取り足取り指導してい
きました。


やがて彼のほうからバケツの水を取り替えた
りしてくれるようになり、卒業後きちんと家
庭を築いたその子は、清掃会社の社長になり、
いまは自動販売機の入れ替えの会社の社長を
しているのです。


愛情を持って慈しんで育てれば、どんな子も
必ずいい子に育つ。 その思いは年を重ねる
ごとに強いものになってきました。 …






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