貧者の一灯 ブログ

信じれば真実・疑えば妄想

貧者の一灯・一考編

















※…
困っている人がいたら親切にしようなどの言葉
は色々な機会に聞いたり話し合ったりされるが
具体的に自分から親切を実行することは難しい


教室でお友達の落とし物を拾ってあげることなど
は当然のこととしてお互いにいつも行われている
から特に親切と意識することはない


場所やその時の状況に応じた適切な親切は
案外難しいこともある


※…
私は毎日バスで通学している。利用するバス停
は始発地点 に近いこともあり乗車はスム-ズに
行われるが下車する時 は混み合った乗客の間
をすみませんを連続して言いながら 出口に進む
日々が続いている


ある雨の日のこと いつものようにバスは混み
合っていた 傘などの手荷物がいつもより多い
こともあり最後尾の列に座っていた私達は協力
してお互いの席を詰めようと努力した


そして一人分の座席が空けられたので友達の
一人が近くの 男性にどうぞお掛けください と
声をかけ座っていただいた


その方の嬉しそうな表情に私達もお互いににっ
こりとした


私達の下車する停留所が近づいてきた内心で
は雨傘など を持ち満員の人の間を降りなければ
ならないことの心配にど うしようと声にならない
つぶやきがあった


すると前方の 友達が降り始め私達も準備を始め
た時に先ほど席を譲った男 性が みんな道を開
けてあげようよ と大きな声で呼びかけてくれた
のだった


そして乗客全員が 呼びかけに応えるように道を
開けてくれ本当に気持ちよく下 車・登校できた


※…
これまでの私は男性と同じような気持ちになっても
皆に 呼びかけられる勇気はなかった


恥ずかしさが先にたち皆が 行動に移してくれる
勇気も無かった


でもこの男性は恥ず かしいという気持ちが多少
あったにしろ私達を助けてあげた いという気持
ちを大切にして勇気を出して呼びかけをしてく れ
たのだろう


私は思った この男性の勇気ある呼びかけが
親切なのだ と


簡単のようでとっさの時に実行でき 皆の気持ち
をまとめ られた男性の一言が 一台のバスの皆
の うっとうしい雨の一 日の始まりを清々しさに
変えてくれた


私は親切は決められたものではなく時と場所など
臨機応 変に自分ができる手伝いを進んで実行
に移す勇気だと思った


中学生として自分ができる親切を適時に実行で
きる勇気を出 せるように努めていきたいと思う













※…
『泣いた赤鬼』の話を読んだことがあるでしょう。
最後の場面で、主人公の赤鬼は親友の青鬼
の手紙を読んで泣くのですが、 この物語は、
決して悲しいだけの話ではありません。



※…『泣いた赤鬼』のストーリー


ある山奥に、心の優しい赤鬼が住んでいました。
人間と仲良くしたいけれど、自分の思いを受け
入れてもらえない赤鬼のために、友だちの青鬼
は一計を案じます。


二人で芝居をしようと提案をするのです。


「まず、村で、僕(青鬼)が暴れる。 そこへ君
(赤鬼)がやってきて、僕(青鬼)を追い払う。
すると、人間は君(赤鬼)を信用するようになる」
という筋書きの芝居です。


「それでは青鬼くんにすまない」 としぶる赤鬼を
青鬼は、村に無理やり引っ張っていって、この
計画は成功しました。


赤鬼は願いどおり、村の人たちと仲良くなれます。
でも、青鬼はそれっきり姿を見せなくなりました。


あの芝居のときに、わざと自分で柱に額をぶつけ
て 具合を悪くているのかもしれないと心配した
赤鬼は、 ある日、青鬼の家を訪ねてみます。


しかし、青鬼の家の戸は固くしまっていました。
その戸のわきに、手紙が貼りつけてあるのを赤鬼
は見つけます。


「アカオニクン、ニンゲンタチトハ ドコマデモ 
ナカヨク マジメニ ツキアッテ タノシク クラシテ 
イッテ クダサイ。 ボクハ シバラク キミニハオメ
ニカカリマセン。 コノママ キミト ツキアイヲ ツヅ
ケテイケバ、ニンゲンハ、 キミヲ ウタガウ コトガ 
ナイトモ カギリマセン。 ウスキミワルク オモウナイ
デモ アリマセン。


ソレデハ マコトニ ツマナラナイ。 ソウ カンガ
エテ、ボクハ、コレカラ タビニデル コトニ シマ
シタ。 ナガイ タビニ ナルカモ シレマセン。


ケレドモ、ボクハ、イツデモ キミヲ ワスレナイ。
ドコカデ、 マタ アウ ヒガ アルカモ シレマセン。
サヨウナラ。 キミ、カラダヲ ダイジニ シテ クダ
サイ。 ドコマデモ キミノ トモダチ アオオニ」


赤鬼は、黙ってそれを繰り返し読みました。 そして、
戸に手をかけ、顔をおしつけ、涙を流すのでした。



※…泣いていたのは赤鬼だけ?


物語のタイトルは『泣いた赤鬼』なのですが、
この手紙を書き、旅立った青鬼も泣いていた
のでしょうか。


それはこの物語に書いていないのですが。
青鬼も泣いていたと考えています。


ひとりで山奥に住む青鬼には、恐らく赤鬼しか
友だちがいなかったはずです。


その唯一の親友の赤鬼が願っていたことは、
人間と親しくなりたいということ。


青鬼は、赤鬼の願いを自分が犠牲になって叶え
てあげます。 そして、赤鬼が人間に疑われない
ように、自分は姿を消すことを選びます。


「ボクもキミといっしょに仲良く暮らしたかった」
そんなことは一言も言わずに、 「キミ、カラダヲ 
ダイジニ シテ クダサイ。」


赤鬼の幸せが続くことを祈りながら、あの手紙を
書いたのです。


しかし、旅立つ青鬼は、涙を流しながらも、これで
いいと思っていたはずです。 赤鬼の願いの叶う
ことが、青鬼の願いでしたから。


それが青鬼の喜びであり、幸せであったのです
から。 旅立つ青鬼は、ひとりぼっちになったの
ではありません。


旅立つことで、より強く赤鬼と結びついたのです。


「ドコマデモ キミノ トモダチ」 この青鬼の最後
の言葉は、赤鬼の心情でもあります。 遠く離れ
ても、二人はさらに強い友情で結ばれたのです。



※…赤鬼の手紙
その後、赤鬼にはどうしたのでしょうか。?


赤鬼は涙をふきながら、次のような手紙を青鬼に
したためました。


青鬼くん おかえりなさい。 長旅で疲れてはいま
せんか。 持病の腰痛はだいじょうぶでしたか。


青鬼くん、本当にありがとう。 おかげで、ぼくは
人間たちとやっと仲良くなれました。 でも、その
ために青鬼くんがいなくなってしまうのは、とても
辛いことです。


ぼくは、人間たちに、本当のことを話します。


君がぼくのためにしてくれたこと。 そして、君が
どんなに優しい鬼かということも伝えます。


きっと人間たちはわかってくれます。 君をあたた
かく受け入れてくれます。


青鬼くん、君と会いたいです。 この後、君を探し
に行きます。 でも、どこを探せばいいか、わかり
ません。


だから、君がここにまた帰ってくるのを期待して、
この手紙を書いているんです。 君と会いたいです。
いますぐにでも会いたいです。


帰ってきたら、すぐにぼくに知らせてください。
お願いです。お願いです。お願いです。


ドコマデモ ドコマデモ ドコマデモ キミノ 
トモダチ 赤鬼 …



※…その後の物語


ある日、木を伐りに行って山の奥に行った村人
二人が、青鬼が川のそばに倒れているのを見つ
けます。


「あっ、あれは、青鬼さんじゃないか」 その後、
村人は赤鬼から、青鬼は実は悪い鬼ではない
と知らされていましたので、警戒心はありません。


近づいていると、やせ細った青鬼は、倒れたまま
動けそうもありません。


「腹を空かせているのかな。おにぎり一つしかない
が、さあ、食べてくれなされ」 村人の一人がおに
ぎりを差し出すと、


よほど空腹だったのか、青鬼は一息で食べました。


「赤鬼さんを呼んでくるから、ここで待っていて
くれ」 村人がそう言って立ち去ってから、小一時
間ほどして、赤鬼が走ってやってきました。


背中には、食べ物をいっぱいつめたふろしきを
背負っています。


「青鬼くん、ああ、青鬼くん、行く当てもなく旅に
出て、こんな姿になってしまったのか」


赤鬼は、薄汚れやせ細った青鬼を抱き寄せ、
大粒の涙を流しました。


青鬼も泣いているような、笑っているような顔で、
目にいっぱいの涙をためていました。 …



※…私たちは、決して一人ではありません。


私たちも、誰かのおかげで、誰かとともに、
幸せになれます。


優しさと優しさが共鳴して、幸せが生まれるもの
です。


author:浜田廣介作『泣いた赤鬼』








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