貧者の一灯 ブログ

信じれば真実・疑えば妄想

貧者の一灯・漢の韓信シリーズ
















呉はその二年後、越に侵攻した。


越は浙江せっこうでこれを迎え撃ったが、
形勢は越に不利であった。  


大夫である文種は、このとき会稽山に立て
籠る越王勾践に策を献じた。


「呉の子胥は呉国の士に軍事を習わせ、未だ
かつて挫けたことはなく、その様子は、ひと
りがよく矢を射ると、百人が先を競って弓籠
手ゆごてをつけるほど勇ましい。


これに勝利することは難しいでしょう。


ゆえに、王は戦をなさってはなりません。謀り
ごととは、成功の確信をもって実行しなければ
ならず、生命を投げうつような覚悟では望むべ
きではないのです。


王は和平を行ない、呉の民を喜ばせ、呉王の心
を広く大きくするにこしたことはありません。


さすれば、いずれ呉王は慢心し、諸侯に覇たる
の心を持つようになります。


そうなると、民は疲れ、呉の天命は尽きるでし
ょう」 これは、いわば天命が下されるまで待て、
というべき献策であった。


勾践がその決断を迷う間にも、呉の猛攻は続く。
越の国都、会稽は修羅場と化した。


「大夫種の言葉に従おう。余は、浅はかであった。
しかし、必ずや越は呉を滅ぼし、天下に覇を唱
える国となるのだ。余は、耐えてみせる」  


ついに勾践は降伏を決意した。呉に使者を送り、
その者に言わせた。


「勾践は、二三の家臣をひきい、みずから重罪
に帰して、辺境で額づきましょう」  


この言葉に呉王夫差は機嫌を良くした。


「余にはまさに斉を伐つという大志がある。よっ
て余は越を許そうと思う。


汝らは余の考えに逆らってはならないぞ。もし
越がすでに改めたなら、余は他に何を求めるだ
ろうか。


もし改めなければ、斉を伐ってから兵を整えて
帰り、越を伐つだけの話だ」  


この夫差の言葉に意見した者がひとりいる。  
伍子胥であった。


「なりません。我々がなお戦うべきときに、小蛇
をくだかなければ、大蛇となったときにどうする
おつもりなのですか」  


彼は、叩けるときに叩け、と主張したが、夫差
は取りあわなかった。


「なぜ、越をそのように恐れるのか。彼らは我ら
呉の威光を際立たせるための飾りに過ぎぬ」  


すでに夫差は、父親の遺言を忘れていたかのよう
であった。恨みを忘れた彼は、勝ちに驕り、次の
勝利を求めていた。  


すでに軍を去った孫武が、言っていた通りになっ
た。伍子胥はすでに夫差を御しきれなくなってき
ている。  


結局夫差は、越の和平の申し出を受け入れた。


越王勾践は、これにより虜囚の辱めを受けるこ
とになる。


夫差はその事実に満足したが、伍子胥は苦々しく
その事実を受け止めた。  


勾践の心に、屈辱と憎しみの心が宿る。それが
その後の彼の行動にどのような変化をもたらす
のか……伍子胥は自らの体験をもとに、それを
知っていたのであった。  


邸宅に帰った伍子胥は、息子にその気持ちを打
ち明けた。


「虜囚として生かしておいて、呉への復讐心を
育てるくらいなら、殺してしまった方がまだま
しだ」…











医療費が過去最高の42.6兆円になりました。
高齢化と医療の高度化が影響しているそうです。


医療費を減らす方法はないのか?
AIに聞いてみました!


私たちが日常の中で仕事や生活をしながら
「成長」していくスピードと、人間の脳が
人工的な知性を「発達」させていくスピード
の差があまりにも大きすぎて、時々戸惑いを
隠せなくなる。  


私たちもそうだが、大きな組織を司る人たち、
たとえば政府の役人などもきっとそうなので
はないか。  以前 香港メディアが伝えた中国
のAI(人工知能)対話サービスのニュースを
ご記憶だろうか。


中国のインターネット・サービス会社「騰訊
(テンセント)」がアメリカのマイクロソフト
社の協力を得て開発した「お喋りロボット」
である。  


「騰訊」はこのAIをネット上で一般公開し、
ユーザーの質問に答えるサービスを始めた。  


その「お喋りロボット」は、入力されたデータ
を自分で解析し、考え、適切な答えを出し、
ストレートに発言した。


その結果、言ってはいけないことまで言って
しまった。「空気を読む」という能力がなか
ったのだ。  


あるユーザーが「共産党万歳!」と書き込むと、
AIはこう回答した。  


「こんなに腐敗して無能な政党に、君は万歳
なんて言えるのか」


それから、「あなたにとって愛国とは何ですか
?」という質問には「裸官が多くなり、官商が
結託し、政府の税収が増加して、庶民に対する
圧迫が厳しくなってきた。それでも中国人でい
ようとすること」と答えた。  


ちなみに「裸官」とは、家族を外国に移住させ、
資産も外国の銀行に預金して、いつでも高飛び
する準備ができている丸裸状態の官僚のことを
指すそうだ。  


また、別のユーザーはこんな質問をした。


「あなたの『中国夢』(ヂォングゥオマァン)
は何ですか?」  


「中国夢」とは、2010年に中国の大学教授が
「アメリカン・ドリーム」という意味の
「美國夢」(メイグゥオマァン)をもじって
出版した本のタイトルである。  


現在の習近平国家主席は、中国共産党総書記
の時代からこの言葉が気に入り、演説でよく
使っていた。


そして今それは、「一帯一路」という国家ビジ
ョンになっている。  


すなわち、中国はその昔、中国大陸を横断する
陸上シルクロード(一帯)と、中国東部沿岸部
からアフリカ東部を結ぶ海上シルクロード
(一路)を勢力下に置いて文化や経済をリード
していた。


その「かつての栄光」を取り戻すという壮大な
夢である。  


ところが、「あなたの『中国夢』は何ですか?」
と聞かれたAIは一言でこう答えた。


「アメリカへの移住です」  


そんなわけで、このAI対話サービスはすぐ
中国当局によって閉鎖された。  


日本でも以前、NHKが『AIに聞いてみた
どうすんのよ!? ニッポン』という番組を放送
していた。


「高齢者の健康を守るための具体策を教えて
!」と質問したら、AIは「病院を減らせ」
と答えた。  


番組スタッフは、財政破綻して公立の総合病
院が閉鎖した夕張市に取材に行った。


周辺の自治体と比較すると、明らかに高齢者
の健康状態は良くなり、医療費は減っていた。


病院がないので官民一体となって健康づくりに
取り組んだという。  


「元気なままでコロリと逝きたい。


健康寿命を延ばすには?」という問いにAI
は「運動や食事より読書」と答えた。  


番組スタッフは、健康寿命日本一の山梨県に
取材に行った。


山梨県は運動・スポーツ実施率は最下位だが、
人口に対する図書館数が全国1位で、


学校司書配置率も全国平均59.3%なのに対し、
山梨県は98.3%と高く、多くの人が高齢にな
っても読書を続けているという。


「本を探したり、本を読むという知的な刺激
は心を動かし、活力や向上心につながる」と
いうのである。  


今後、AIへの依存度は益々高くなるだろう。


だが、突拍子もないAIの答えに振り回されず、
されど疑わず、「おまえ、面白いこと言うなぁ」
くらいに、良きパートナーとして付き合ってい
こうではないか。…






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